変化と付き合うための心構え
変化のない人生なんてないのだが、その変化が発達障害者を苦しめている。
筆者も度重なる環境の変化→心身の不調→不登校→適応障害→会社に行けなくなる→発達障害と診断→退職→転職などとまあ、バラエティに富んだ生活を経験していたのだが、そのおかげである程度変化には対応できるようになっているのに気づく。
- 発達障害は変化に臨機応変に対応するのが苦手である。
- 小さい頃から反復的な動作や遊びをする傾向にある。
- その反復性が崩れると極度のストレスを感じる
発達障害があらゆる変化に対応するのが苦手なのは以下の通りである。
単なる当事者のサラリーマンの持論なのだが、
脳が反復した動作を繰り返すよう指示を出している。
反復するよう指示を出すことで動作を身体に覚えさせようとしている。
持続的な行動をすることでありとあらゆるリスクを回避している。
分かり易く仕事の例で置き換えてみると、発達障害を持つAさんはひたすらデータを入力する仕事が好きで、Aさんの脳はデータ入力をひたすら続けるというような指令を出している。物覚えが悪いAさんはその要領の悪さを反復的に動作を続けることでカバーし、データ入力の仕事を覚えようとしている。もし仮にAさんが臨機応変な対応を必要とするような接客業務、外勤、めったに請け負わない業務をしたとしたら自分もパニック状態に陥り、ミスも多くなり、周囲に迷惑をかけ、自分の評価も落とすだろう。しかし、持続的、反復的な仕事を続けていればそのようなリスクはない。一種の防御反応の指令が脳から出てしまっているのである。「今ある状態を続けろと」
しかし現実問題変化を避け続けては生きていけない。
学校であれば入学、卒業、進級、クラス替え、担任の先生だって変わる、社会人であれば、上司が変わり、メンバーが変わり、方針が変わり変化だらけである。
発達障害者がこの周りの変化に対応しきっていこうものなら相当なストレスがかかって参ってしまうのだ。
だから脳が指令を出す前に、心づもりを変えるのだ。
「リスクはつきものだ。失敗してもいい。こんな変化はどうでも良いのだ。」
と自分に言い聞かせるのである。
そうすると肩の力が抜け、環境が変わっても、緊張状態が続くのを避けられ、ストレスを溜めすぎなくなるのだ。
変化に対応するための秘策は、変化に対応しすぎないことなのかもしれない。